野良ストーブの開発経緯

野良ストーブができるまで

野良ストーブの商品ページでもちょこっと書いたのですが、野良ストーブは私が使うための「自分用」として自作したストーブがはじまりです。

今回はその最初の自作ストーブから、今の現行野良ストーブに至るまでの経緯を書いてみたいと思います。

 

野良ストーブ Ver.0

下の写真、実はこれが野良ストーブの原型です。笑

 

撮影日時見ると2014年だったので、これ作ったのがだいたい5年前。

武骨・・・と言えば聞こえはいいですけどね。笑

 

見ての通りかなりゴツいステンレスを使ってるんですが、これはやっぱり、当時あった小型の焚き火台がどれも肉薄で頼りなかった事への不満の現れですね。

とりあえず分厚いステンレスで作ればいいだろう!という乱暴な考え方が見て取れますが笑、火力は良かったものの色々と課題もあって、すぐ次作の製作に取り掛かることに。

 

焚き火と私

まあそもそもなんですが、なぜ私がそこまで焚き火に情熱を燃やすかというと。

私が焚き火を覚えたのが小学生の頃なんですが、一通り火を熾せるようになってから感じたのは「おれはこれで何があっても生きていけるな」というか。

いや焚き火が出来るぐらいで生きていけるとか、もちろんそんなわけはないんですけど。笑

 

私はその当時からそうなんですが、アウトドアが好きというよりかは、そもそもの関心が「サバイバル」なんですよ。

もちろんアウトドア全般好きなんですが、その身につけたアウトドアスキルで「生き残れる(生き残れる確率が上がる)」という事に対して、より喜びを感じるんですよね。

 

言うまでもなく、特に火は非常に重要です。

聞いたことがある方も多いと思いますが、非常時には以下の4つが大事で、

  1. 保温
  2. 食料

これは優先すべき順番も番号のとおりになってまして、すなわち「保温」が何よりもまず大事だということなんですね。

 

その理由はめちゃめちゃシンプルで、

  • 低体温症になれば数時間で死ぬ
  • 水が無ければ3日ぐらいで死ぬ
  • 食料が無ければ3週間ぐらいで死ぬ

という、死に至るまでの「時間的緊急度」が高い順になっているということです。

 

ここで最優先事項の「保温」というのは、まずは雨風をしのげる「住居」の確保を指します。

 

ただ、いくら雨風をしのいでも冷えた体は温まりません。

そこで「加温」するための手段が必要になってくるわけなんですが、それが「火」ということなんですね。

そして4番目の「食料」においても、火は非常に重要な役割を果たすわけで、サバイバルにおいて火が重要であることは疑いようもないよねと。

 

とまあ語りだすとキリがないのでこのへんにしときますが、

とにかく子供の頃の私は「焚き火が出来る事」の満足感もさることながら、焚き火そのものが楽しくて本当にしょっちゅう焚き火をしてました。近所の河原で。

 

ただ、それがだいたい20年ほど昔になる訳なんですが、その頃から徐々に焚き火に対する規制や世間の目が厳しくなってきて、直火での焚き火が出来るフィールドはどんどん減っていったんですよね。

そこで必要になってくるのが「焚き火台」と、こういうわけなんですけど、私が大人になってからより一層焚き火を愛するようになった理由がもう一つあります。

 

海と私

それが「海」です。

これまた完全に余談なのですが、私はもともと「魚突き」が好きで、子供のころから川で鮎を突いてたりしたんですが(漁業権の無い川でね)、大人になって海で魚突きをしはじめてからはもう「魚突き以外のことを何もやりたくない」ぐらいにのめり込んでですね。

それが昂じて魚突き(スピアフィッシング)に使う道具(銛とか)を自分で作りはじめ、果てはそういう用品を扱うショップまで作ったという・・・笑

【ダイビング用品ジャックナイフ】

 

まあ釣りでもそうなんですが、朝マヅメ夕マヅメというように、朝と夕方が魚の活性が上がるのでやっぱりその時間帯に海に入りたいと。

なので基本的には海辺で野営もしくは車中泊→夜明けとともに海へドボン、というのがスタイルで、海に生きだしてからは尚更頻繁に焚き火をするようになった、というわけです。

 

海での焚き火

海辺だと流木なんかがあるので割と薪には困らないんですが、それでもイチイチ大きな焚き火をするのは無駄だし面倒なんですよね。

基本ソロなので薪を集めるのも大変だし、そこまでたくさん集まらないこともありますし。

 

焚き火が好きではあるんですが、無駄にボーボーと燃やすのは何となく性に合わないんです。※あとは海辺でデカい焚き火をやってると、高確率でお巡りさんがやってくるというのもあります笑

 

で、せっかく燃やすんならその火で調理も全部焚き火で何とかしたいよね、と思った時に必須だったのが

ソロ用のコンパクトかつ頑丈で高火力な焚き火台(ストーブ)

だったわけです。

 

次に作ったストーブ

それで話は戻って、最初の試作品ストーブの「次」に作ったストーブについてですね。

最初のストーブ、あれは3mm厚のゴツいステンレス板に、蝶番を溶接して作ってたんです。

 

頑丈だし燃焼効率も良かったんですが、いかんせん重たいしもっと構造も工夫できるだろうと。

 

  • もっと肉厚を抑える
  • 蝶番も使わない、構造と工夫で何とかする
  • 溶接もしない、分解できるようにねじ止めを基本に
  • ゴトクも必須
  • 各パーツがバラバラにならないように

 

ただこのあたりの課題を考えた時、

  • 板を薄くする→歪む

というのが最大の壁で。

 

板厚を抑えて強度も出す方法はもう「曲げ」しかない事は分かってたんですが、

強度向上も考えつつ、燃焼効率向上等の条件も同時に満たすような設計になるまでは相当時間がかかりましたね。

 

バージョン2

で、次に作ったのがこれ。

 

こんな感じで折りたたみます。

 

いやー、これはアイデア自体は結構良かったんですけどね。(ちなみに実用新案も取りました)

 

曲げを入れることで強度を出し、肉厚を抑えるという点はクリア。

組み立ても簡単、各パーツもバラバラにならない。

 

ただ、やっぱり蝶番を使うことから抜け出せなかったのもあり、構造も複雑で相当コストがかかりました。

自分だけで使う分には悪くなかったものの、製作に市販の焚き火台以上にお金がかかるという本末転倒もあり笑、あとはやっぱり気に入らなかった部分(ゴトクとか)もあったのでこれもボツに。

 

ようやく完成

そのバージョン2から更に改良を加え、

  • ゴトクも一体型に
  • サイドプレートで火力調節も可能に
  • 構造はよりシンプルに
  • 蝶番&溶接を全撤廃

一通りすべての課題を解決して出来たのが野良ストーブです。

 

そして現行の野良ストーブに至るまでにはもうワンステップあって、

野良ストーブリリース前に「モニターさん」を募集しまして、その方々に使って頂いた感想やフィードバックを製品に盛り込みました。

 

最初は薪を入れる箇所の「エグリ」も無かったですが、モニターさんの要望でそこを改善したり、ですね。

※下の写真が改良前

 

そんなふうにユーザさんの声を盛り込むことで「最終仕上げ」が出来て、より自信をもってアウトドアシーンに持ち込む事が出来ました。