
もっと、「そと」へ。
アウトドア・キャンプブームが盛り上がる一方で、障がい者支援の世界では常に「仕事が無い(少ない)」という状況が続いています。
弊社がアウトドア用品メーカーとしての活動をスタートした5年前からこれまで、多くの面で就労支援施設の方々に助けてもらってきました。
その経験から確信を持って言えるのが、就労支援施設で仕事がないのは働き手が「障がい者だから」ではなく、我々が、企業側が、「障がい者だからできない」と勝手に思い込んでいることです。
その思い込みを払拭すること、そして、より幅広い仕事を障がい福祉の世界に取り入れていくこと、それによって全ての人に豊かで明るい暮らしを送ってもらうことを目指し、このOutdoor Welfareというプロジェクトをスタートさせました。
自分はこれずっと思ってるんですけど、
「もっと “普通” に障がい者支援を行う世の中」
になんでならないのかなと。
たとえば企業も、振れる仕事はどんどん就労支援に振ればいいのに(なんでやらないんだろう)と思うんです。
自分自身が今の仕事続けられなくなって、明日から就労のお世話になる可能性なんて誰だってあるわけです。
だからもっと普通に、ご近所さん同士「お互い様」で助け合うのと同じような感覚で「障がい者支援」があってもいいんじゃないか、逆になんでそうならないのかと思ってます。
一応野良道具製作所としても、これまで
・野良ストーブ組立梱包の依頼
・コラボアイテムの製作依頼
・ショップの清掃業務の依頼
・ショップ袋の製作依頼
等々やってきてはいるのですがまだまだ足りないし、このあたりで一つ、これらの活動をちゃんとコンセプト決めて軸を持ってやっていこうじゃないかということで、このプロジェクトを立ち上げることにしました。
目的と趣旨
今日、楽しくキャンプをしている私も、
明日、障がいを抱えて生きていくことになるかもしれません。
本当は誰しも「福祉」というものと無関係ではいられないのに、なぜか世間はそこから目を背けようとします。
そんなふうに目を背けてきた結果として、障がい者も障がい者支援という仕事も、陽の当たらぬ、インドアで閉鎖的なイメージのまま今に至ってしまっているように思います。
だからまずはそういったイメージを払拭し、障がい者雇用を増やすこと。
それがOutdoor Welfareの最大の活動目的です。
…と、大きな理念を掲げてはおりますが、この活動は
・アウトドア用品メーカーが、福祉施設に作業を依頼してみた
という非常に小さな繋がりからスタートしました。
はじまりは、たまたまSNSを通じて知り合った野営仲間が障がい者支援の仕事をしていることを知り、そこに野良道具製作所の最初の製品「野良ストーブ」の組立梱包作業を依頼したことがきっかけでした。
他のいくつかの施設さんに「難しい作業だから出来ない」と断られた作業を二つ返事で引き受けてくれたこと、また何よりも、その納品された製品の品質が文句なしに素晴らしかったことに感動したのを覚えています。
その時思ったのは、障がいがあろうがなかろうが人は “適材適所” なんだということ、つまりその人の得意不得意をきちんと見極め、得意な作業をディレクションする「ディレクター」の存在こそが何より重要なんだということです。
つまり、きちんとしたディレクターさえいれば、これまで勝手に思っていた「障がい者だから出来ない(だろう)」という “イメージ” を大きく超えた仕事が可能になるのではないか、と。
実際にこの考えは間違っておらず、野良創業当初から今に至るまで、製作作業含めさまざまな面で助けてもらってきました。
そしてそのディレクターというのが、このOutdoor Welfareを共に進めていく就労支援施設「御園工房」の代表、森光氏です。
この御園工房さんには、野良道具製作所として他にも様々な業務を依頼させてもらっています。
・新店舗の清掃業務
・一部野良製品の仕上げ作業
・コラボアイテムの製作作業





そして野良道具製作所としても、これまでいくつかの福祉的活動を行ってきました。
私が野良道具製作所をスタートさせる前ですが、2015年に友人と立ち上げた放課後等デイサービスでは今もお店のショッパー作りを手伝ってもらったり。

あとは「ブックペグ」なんてのも作ってみたり。



これはキャンプで使うペグの形を模した「しおり」。
売上の一部を日本財団様が取り組まれている「子ども第三の居場所基金」に寄付するという、野良としては初めての試みでした。
→【ブックペグについて】https://norastove.com/bookpeg/
アウトドア、地域、福祉
そうやって自分たちがやってきたことを一度しっかりまとめ直して、あらためてきちんとしたコンセプトにしたいという想いが以前からあり、それがこのOutdoor Welfareという取り組みの源流にあります。
「野良=野を良くする」という信念で野良道具製作所を立ち上げてこれまでやってきて、やはりアウトドアとは「地域」あってこそであり、そしてその地域には福祉が必要不可欠だということ、これが自分の実感としてあって。
アウトドア、地域、福祉、社会、
本来密接に関わっているものなのに、それぞれの「温度差」があるせいで埋もれてしまっている資源は非常に多いと思うんです。
それって単純に「もったいない」よな、と思うことが多々ある。
それを、アウトドアを通じて「もっと外へ」。
企業と福祉、アウトドアと『もったいない』、『もったいない』と社会貢献。
それらを1つのコンセプト「Outdoor Welfare」として活動の軸にし、野良道具製作所と御園工房で取り組み、実社会に伝え、広めていこうと考えています。
その第一弾が冒頭の写真、『もったいない草履』。笑
これはアウトドアで不要になったり結局使わなかった衣類(Tシャツ)を材料に、御園工房で製作している布ぞうりです。

※8月15日リリース予定
※このもったいない草履に使う、未使用もしくは綺麗なTシャツの寄付を絶賛受け付けております・・・!!!
もしご寄付いただけるという方は、野良道具製作所 HIROSHIMA GATEPARK店にて随時受け付けておりますので、ぜひ支援の程よろしくお願いいたします!!!!