「パクり」についての野良の考えと知財の話

 

アウトドアブームの勢いもあってか、イケイケムードでよそ様の製品をしれっとパクってしまう事案は結構あります。

最近だとピコグリルをパクった製品が、正規品の価格よりはるかに安いプライスで世に出回り、その賛否が議論を巻き起こしたりしました。

 

よそ様の製品パクっといて「賛」の意見てなんやねんと思う気持ちは正直ありますが、まあ人それぞれ色んな考え方があるんでしょう。

  • 「良いものはパクられるものだ」という謎理論を唱えられる方や
  • ユーザとしては安けりゃそれでいい、という方
  • 別に権利関係侵害してないんなら文句言えなくね?(ハナホジ な方

 

野良製品も結構パクられてますしね。最近だとかなりの大手さんも結構キワドイの出しちゃったというか、へー!商品のみならずウチの商品説明まで「参考」にするんですね!な事もありましたし。笑

 

お父ちゃんな、よそさんの製品パクったってん

めちゃくちゃ普通に思うんですけど、そういう人って自分の仕事をお子さんにどう説明してるんでしょうかね。

  

子「お父ちゃん!お父ちゃんってどんな仕事してるの?」

父「そやな、よそさんの製品で、お!これええやんってモンがあったらな、それ取り寄せてパパーて寸法計ってやな、似たようなモン作ってこれウチのオリジナルやで~~~!!いうて売ってんねん」

どや?お父ちゃん、かっこええやろ?

 

 

知財権についての理解

ま、価値観は人それぞれですしね。

それは一旦置いておいたとして、昔っからパクリや盗用問題ってのはあるわけです。で、それらの行為を規制し、知的財産権を守るための法律もあるわけですね。そのあたりの法律を総じて知的財産法と呼びます。

良く知られている特許法意匠法や商標法なども当然そこに含まれます。

 

そしてこれは一般的にあまり知られておらず、それがゆえに問題が起きやすい「不正競争防止法」もそのうちの一つです。

 

別に野良も知財のプロってわけじゃありません。ただ、少なくとも知財を守るべく行動する当事者ではあります。

そんな私から見ても、この不正競争防止法を知らずして安易に知財を語る人が(特にネット上に)非常に多いなと思います。

 

考察

※以下のストーリーはすべてフィクションです※

 

たとえば、何十年とチーズケーキを焼いて売っているケーキ屋のおばあちゃんがいるとします。

チエばあちゃんのチーズケーキ

という名称でずっと昔から親しまれています。

長年の苦労のかいもあり、また最近のチーズケーキブームも追い風になり、チーズケーキの通販を始めた途端に爆発的に売れ、チエばあちゃんのチーズケーキは全国的なブランドとなりました。

 

そこへ、その流れに乗って一儲けしたいと企んだ輩がやってきて、チエばあちゃんのケーキ屋の向かいにケーキ屋をオープンさせました。しかもあろうことか

チヨばあちゃんのチーズケーキ

という店名でケーキ屋を始めたのです・・・!!だれやねんチヨって・・・!!

 

チエばあちゃんとしては、長年のファンが勝手に「チエばあちゃんのチーズケーキ」と呼んでいただけであり、それを商標登録しようなどとは全く考えもしていませんでした。

 

「あー、それしゃーないわ。商標登録してなかったんやろ?あんたが無知だったんやからあきらめや」

という知った風な事を言うやっかいな身内や、同意見のSNSフォロワーさんにも同じような事を言われ、泣く泣くチエばあちゃんは諦めましたとさ・・・

 

・・・ってなことになっていいんでしょうか?

 

もちろん、泣く泣く諦めざるを得なくなることも十分想定されます。商標を取っておくべきだった、という意見についても同意見です。

 

ただ、これもまた個人的な見解に過ぎませんけども、不正競争防止法というのはまさにそういった人の権利を守るという側面もある、と私は捉えています。

特許を取ってない、意匠登録や商標登録をしてない=その人の知財権はノーガードで好き勝手されていい

なんてわけはないだろうと。

もちろん、それらの権利を持っておくことに越したことはありませんが、なかったからと言って知財権自体が全く守られないわけではなく、不正競争防止法によってカバーされる範囲も広くあるよということです。

 

不正競争防止法

ここまで説明しといてアレですが、ではどういうケースが不正競争防止法違反に問えるのか、どういったケースでどういった主張が出来るのか、といった具体的な部分には言及しません。

というか、できません。 

これもまた法律関係の話をする上で、特にSNS上でそういった話をする際に強く理解しておいてほしい事柄なのですが、

法律というのはあくまでも「文章」に過ぎず、その文章をどう捉え、どう判断していくかは司法次第

ということです。

 

もっと分かりやすく言うと、

  • 法律で○○と決められている!
  • (素人が)それを読んでこう解釈した!
  • だからこのケースではお前は違法だ!

これ何から何まで間違ってるし、裁判の結果が出てもないのに素人が妄想で「お前は違法だ!」と宣う事自体が法を犯している可能性もあるので絶対やめましょうね、ってことです。

特に知財権の争いは、水面下で何が起きてるか外野からは全く分かりませんので。

 

これは知財権を守る側に立った時にも同じことが言えます。

法律というのは文章であり、ただの取り決めに過ぎず、その武器を使ってどう戦うか?こそが重要なので、あきらかに違法だと思えるケースでも「こいつは法律違反している!」と見切り発車で騒ぎ立てるのはあまり得策とは言えないと思います。

 

ただし、権利侵害が疑われるケースにおいて「権利を侵害された」と声を上げるのは大事

であり、これは一見矛盾しているようなのですが、そこで声を上げないと「権利侵害を受け入れた」と捉えかねないこと、それを足掛かりに、たとえば先ほどのケースでは「チヨばあちゃんのチーズケーキ」で商標登録をされてしまい、挙句「チエばあちゃんのチーズケーキ」の商標権侵害を訴えられるといったことも考えられるからです。

 

いずれにしても、そういった戦略立てや勘所を抑えた行動は素人には無理なので、権利侵害をされたと思ったら早めに専門家に相談しましょう。

 

え?お前のとこはどうなんだって?

ええ、もちろん野良んとこは基本的に主力製品の特許や意匠登録をしていますし、顧問の弁理士先生も弁護士先生もおります。

 

やっぱりね、パクリが横行するようになっちゃうことの一番の弊害は

オリジナルを生み出す活力が失われる

ってことです。そりゃそうですよね。容易にパクれてしかもペナルティも軽いとなれば、オリジナルのものを生み出すのなんて馬鹿らしくてやってられなくなりますよね。

なので今後もそのへんは毅然と対応していく所存です。

 

 

 

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新製品や試作品はまず最初にこのショップに置くようにしていますので、是非定期的にチェックしてみてください。