野良のアウトドアブーム分析、とマナー問題について

 

まあね、アウトドア用品メーカなんかやってるとちょいちょい言われるわけですよ。

「今はアウトドアブームだからねぇ〜」

 

いやー気持ちはわかるんです。言いたいこともわかる。

なのでそういう事を言ってくる人に対して、特に反抗心があるってわけでもない。

いや正直に言うと、ブーム「だから」何やねん?その「だから」のあとに続く言葉は何やねん?という気持ちはないでもない。笑

 

ただ、別にブームだからアウトドア用品作ってるわけではない、ってのも確かなので、今日はそのへんのモヤモヤを多少払拭すべく笑、いまいちど野良道具製作所のスタンスについて話をしておこうかなと。

 

野良のスタンス

まず「アウトドアブーム」に対する私のスタンスを明確にしておくと

ブームだろうが何だろうが自分は一生 “アウトドア” やるよね

 

まあ一言でいうとこれですよね

 

ブームが去ったらアウトドア辞めるの?

いや、皆さんもそうだと思うんですけど仮に「ブーム」が去ったら「アウトドア」辞めるんですか?って言ったら絶対辞めなくないですか?

もちろん今ほどの熱は一旦落ち着くかもしれないですが、皆なんだかんだでまったりと外遊びを楽しんでいくんじゃないかと思うんですよね。

 

というか本来そういうものだと思うんですよ。アウトドアって。

ブームだからやるとかやらないとかじゃなくて、そこに在る自然を大事にしながら、のんびりと自然のペースに合わせて楽しむものなんじゃないかと。

 

私はアウトドア辞めない、と。ていうかアウトドア「辞める」って何。笑

ブームだろうがなんだろうが、自分は自分のペースでお外遊びを楽しむし、それがベースにある野良道具製作所も一緒。その時その時で自分が欲しいもの・使いたいものを自分のペースで作っていくだけ。

なので「別にブームなんて関係なくね?」という結論になる、という話ですね。

 

もうちょっと真剣にブーム分析

まあ、もう一歩踏み込んで今のブームというのを分析したときに、結論から言うと私はこの盛り上がりが急激に冷えることはまずないんじゃないかと思ってて。はい、もちろんバリバリのポジショントークですけどね。笑

その理由はめちゃシンプルで、

・これまでに起きたアウトドアブーム=主にファミキャンだった
・今のアウトドアブーム=ファミキャンだけじゃなくもっと多様化してる

から。

 

ファミキャンって、すごくざっくり言ってしまうと「こどもが小さいうちだけの遊び」に近い部分があるじゃないですか?

いや、もちろん例外はあるとは思いますよ。お子さんが何歳になろうが、家族で一緒にキャンプやるぜ!やってるぜ!という幸せなファミリーもいらっしゃるとは思います。

ただ、やっぱりお子さんが中学生高校生になったら部活もあるし、友達と遊ぶほうがたのしくなったりで、「ファミキャン」からは徐々に遠ざかっていくパターンのほうが多いんじゃないかとも思うんですね。 

 

なので、ファミキャンがベースのブームの場合、めちゃくちゃ大雑把に言うと

せいぜい5〜10年ぐらいが寿命のブーム

と言えるんじゃないかなーと。5〜10年ってのはお子さんが大きくなるまでの期間ってことですね。

 

インターネットが変えたもの

前回のアウトドアブーム(90年代前半かな?)では、インターネットはまだ浸透してませんでしたよね。

なので「アウトドア」「キャンプ」というもののイメージや概念を形作るのは、主には雑誌や知り合いからの情報のみだったはず。

 

一応自分も小学生の頃からキャンプや素潜りや山登りをはじめたので、90年代前半の雰囲気ってなんとなく知ってます。

その感覚ベースの話にはなりますが、いまでは身近な「ソロキャン」だったりとか「グルキャン」、または「ブッシュクラフト」「野営」みたいなのはごく一部の人だけが楽しむものであり、大多数の人にとって「キャンプ」とは「ファミリーキャンプ(ファミキャン)のことを指していたと思います。 

 

でも今はインターネットがあることで、一口で「アウトドア」と言ってもその楽しみ方やスタイルは非常に多様化してます。

だから先述のブームの寿命みたいなものは当てはまらないんですよ。

ファミキャンやってて、お子さんが大きくなって一緒にはキャンプやらなくなった、でもお父さんはキャンプやりたいなーと思ってふとネット見てたら

ソロキャンプ

なるものがあるぞ、と。でそのソロキャンやってる人もこんだけいるぞと。

そういうのに後押しをされて、じゃあ自分もやってみようかな?と思う人ってたくさんいますよね。

 

ブームとマナー問題

一方で、業界が盛り上がると同時に「マナー問題」も頻繁に取り沙汰されるようになってしまいました。

ゴミを持ち帰らない人。
やっちゃダメなのに直火する人。
夜遅くまで騒ぐウェーイ勢。

こういったマナーというかモラルさえない人たちのせいで、「ブームなんか早く去ればいいのに・・・」と思ってる方も多いと思います。

 

マナーやモラルの無い人がダメなのは当然だし、そこに対する怒りも当然のことなんですが、ただちょっと疑問なのが

ブームが去ったら、そういう人も一緒に去ってくれるのかな・・・?

という問題。

 

で、まあ何の根拠もない話でアレなんですが、個人的には「たぶん去らないだろうなあ」と思ってます。

なぜかと言うと、まずシンプルに「マナーの悪い人はそれがマナーの悪い行動だと思ってもいない」ので、我々のような嫌な思いをまずしていないんですよね。そりゃ自分たちはマナー無視して楽しんでるんですから当然っちゃ当然なんだけど。。

だから去る理由がないんですよ。むしろブームが終わって人が減れば、よっしゃ自分たちの天下だ!ってなもんで余計増える可能性だってある。

 

そうなると

  • マナー問題で楽しめる場所は荒れて
  • ブームが去ってさらに減って
  • 残ったのはマナーの悪い人達ばかり

という地獄絵図さえ見えるというか。。

 

そもそもそういうマナーの悪い人達というのは、本人たちは別にブームとかアウトドアとか関係ないと思ってるというか、「アウトドア」「キャンプ」という概念自体が薄いんですよ。

ただ単に騒げればいい。楽しけりゃいい。それが別にキャンプじゃなくたっていい=別にマナーなんか関係ないっしょ!

ならキャンプすな!

・・・と我々は思うわけですが、そこはやっぱり、キャンプが楽しいんでしょうね。

冒頭でも言ったように、アウトドア自体が楽しいというのもあり、また仲間と適当にワイワイ楽しむにはお金もさほどかからないし、でもって今はコロナで街に繰り出してワイワイってわけにもいかないし・・・

などなど色んな要因が重なって、(ブームが去ったからといって)キャンプをやめる人は少ないんじゃないかなと。

 

で、どうするか?

じゃあどうするかって話なんですが、まず上述の通り「マナー問題」を「ブームのせい」にしても何もいいことはありません。

 

これは市場が大きくなれば、キャンプに限らずどんな業界でも起こること。

自転車、トレラン、スノボ、どんなアクティビティでも同質の問題ってあるわけです。

そしてどんなアクティビティでも、この市場拡大に伴って起こる問題をどう解決するか?でその後の運命が決まるってのはもう歴史が物語ってますよね。

この問題を「業界として」全力で取り組んで何とかして初めてその後のさらなる発展があるというか、逆にいえばそれを何とかできなければ衰退して終わり。

 

これはやっぱり「業界が」何とかすべき問題。なので私も今はそこを必死で考えてます。

 

 

 

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