野良ストーブ ~Nora Stove~
山でも、川でも、海でも。
どこへ行くときも連れて行きたくなる、小さくて頼りになるヘビーデューティー焚き火台
野良ストーブの生い立ち
私が野良道具製作所の製品として最初に作ったのが、この野良ストーブです。
というより「野良ストーブが完成したから野良道具製作所を立ち上げた」、という方が正しいかもしれません。
野良ストーブは完全に「自分が使うため」に作りはじめた焚き火台で、当初は製品としてリリースする予定など全くありませんでした。
じゃあなんで製品としてリリースしたかというと、
このジャンル、この用途における焚き火台として一つの到達点
であると自信を持って言える完成度に至ったからです。(特許取得済み)
私が野良ストーブの原型となる1号試作機を作った当初、おそらく2010年ごろかと思いますが、その頃はまだ「ソロ用の焚き火台」自体が非常に少なかったんですね。
あったとしても軽量さ優先で薄い金属板を使っていたりで、そうするとやはり熱ですぐベコベコに歪んでしまうような製品が多く、ハードにガンガン使ってもびくともしないようなヘビーデューティーなソロ用焚き火台は(私の知る限り)まだ世の中にはありませんでした。
私が求めていたのは、
- とにかく頑丈で
- サッと設営が出来て
- サッと火力が出せて
- 太い薪も使える
というような、要するに
ガス・ガソリンストーブの代わりになる、メイン火力を任せられるような焚き火台
が欲しかったんです。
ちなみにこれが「1号試作機」。
形状が先すぼみになっていたり、設計思想自体は現在に通じるものがありますが、作りの雑さは否めません。笑
ここから幾度ものアップデートを経て今の形に至ります。
野良ストーブの特徴
火力
野良ストーブは今までのどの焚き火台とも全く違う、異次元と言っても良いほどの高火力を誇る焚き火ストーブです。
下記動画、絞られた燃焼口から噴き出る炎を見て頂ければそれを理解していただけるはずです。
二次燃焼させずとも、これだけの火力が得られます。
高火力の理由は非常にシンプルで、上部に向けて狭くなっていく「三角形状」をしているから、です。
発生した炎は否が応でも絞られた上部の開口部に集中しますので、逃げ場を失った炎は強制的に鍋底に当たる事になります。
つまり野良ストーブは「高火力」というよりかは、発生した炎や熱を逃がさず利用するという意味で「高効率」な焚き火台と言えるかもしれません。
もちろん二次燃焼には炎の美しさなど別の良い面があるわけですが、一方で二次燃焼焚き火台はその構造上、燃焼した灰が詰まって二次燃焼を継続させにくいという難点も抱えています。
空気の通り道が遮断されてしまうと、途端に火力が落ちるというのは全ての焚き火台に共通しますが、野良ストーブはそれを解消すべく、本体の中央部を曲げて膨らませてあります。これは炎の集中、また強度の向上と言う2点の目的と、そしてもう一つ重要な
空気の通り道を確保する
という目的があります。
この通り道は灰や燠が積もっても遮られませんので、この経路の空気流入は常に確保されます。
これによって、野良ストーブはいくら燃やしても安定した火力を発揮することが可能です。
もちろん高火力がエライというわけでは決してないのですが、野良ストーブは
サッと設営してパッと湯を沸かしてラーメン作ったりコーヒー沸かしたり
というのがメインの使い方になりますので、やはり高火力というのは外せない部分になります。
「頑丈であること」
当時あった小型の焚き火台はどれも、軽量化のために板厚が薄いものが多く、本気で焚き火をすると熱でベコベコになってしまうものばかりでした。
しかしそんな頼りない強度では、とてもじゃないですがメインストーブの役割を任せられません。なので野良ストーブはとにかく頑丈に作っています。
板厚も最低でも1.2mm、最も重量のかかるゴトクは2.5mm厚のステンレス板を採用。
そしてただ肉厚の板を使うのではなく、各所に曲げを入れて強度を高めてあります。 そのため、ストーブ本体が真っ赤になるほど燃やしてもびくともしません。(ちなみに炭を入れてガンガン燃やしても全然大丈夫です)
「組み立て簡単」
次に「組み立ての容易さ」、これも非常に重要なポイントです。
野良ストーブはそもそも「組み立て」と呼べるような手順自体が必要無いとさえ言えます。
ただ単にパカっと「開くだけ」でほぼセットが完了します。(詳しくは組み立て動画を御覧下さい)
「コンパクトに収納」
野良ストーブは畳めば非常にコンパクトになりますので、持ち運びや保管も苦になりません。
ゴトクは持ち手と兼用
鍋を乗せるゴトクは持ち手と兼用になっています。
これもまた、特にゴトクをセットする必要はありません。本体を開いただけで既にゴトクのセットが完了しています。
あとは薪を投入し、火を熾して鍋やケトルを乗せるだけで調理がスタートできます。
そんな要素を詰め込みながら、5年以上の時間をかけて試作品を作っては改良、作っては改良という試行錯誤を繰り返し、その果てに完成したのがこの野良ストーブです。
ぜひ、バッグの片隅に入れておくか、車のラゲッジに放り込んでおいて下さい。焚き火がしたくてワクワクする、そんな最高の毎日が待っています。
各部詳細
サイズ |
上記図面参照 |
重量 |
(約)1.3kg |
静止耐荷重 |
約15kg(実際の耐荷重は20㎏以上ありますが、それだけの重量となると鍋も大型になり安定感も悪くなるため、この数値を限度としております) |
材質 |
ステンレス鋼(SUS304) |
付属品 |
取扱説明書 |
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製品等の色は、ご使用になるモニターや、設定によって若干の違いが発生する場合があります。
製作・調整は当製作所で手作業で行っておりますので、どうしても細かい傷がある事がございます。使用に問題のない範囲のものは出荷させて頂いておりますので、何卒ご理解の程、宜しくお願い致します。
製品改良のため予告なくデザイン・仕様を変更する場合があります。
サイズ・重量などの数値には若干の個体差があります。