Book Peg
ブックペグはキャンプで使う「ペグ」、このペグをモチーフにした真鍮製の「しおり」です。(意匠出願済み)
なぜ「しおり」?
まあ普段は焚き火台等を作っている野良道具製作所ですから、「なんでアウトドア用品メーカーがしおり??」 といった疑問もあると思います。
これにお答えしようと思うとどうしても長文にはなってしまうのですが、一通り下記にて解説させて頂きます。
どうかこのブックペグをきっかけに、我々の活動にご興味を持っていただければ幸いです。
活動の趣旨
まず、野良道具製作所が活動のテーマとしている
「アウトドア×地域×福祉」。
ブックペグはこの活動のシンボルになってほしいという願いを込めて製作したものになります。
何というか、、これはものすごく抽象的な話にはなるのですが
アウトドアならアウトドア!
インドアならインドア!
福祉なら福祉!
みたいな、それぞれのジャンルやドメインをガッチリ明確に分けること自体に私は違和感があるというか。
もっとグレーでもいいじゃないか
もっとグラデーションでもいいじゃないか
もっとゆるくてもいいじゃないか
と、私は思うんです。
だって人の人生ってもっと普通に「陸続き」じゃないですか。
アウトドア好きな人だって読書もするし映画好きな人もいるだろうし逆も然りだし、
これは福祉にしたって同じで、誰もが「明日から福祉のお世話になる」可能性は全然あるわけで、福祉と無関係な人なんてこの世にいないって事実を考えれば、「これは福祉的活動でこの活動はそうじゃない」みたいな区分けはマジで不要だと思ってて。
というか、その境界線や区分けを無くしていくアプローチこそが「インクルーシブ」だと私は考えているので、
アウトドア?しおり?しかも福祉?何の関係があんの?
という疑問を持ってもらうこと自体に意義があるんじゃないかなと思ってます。ちょっと強引ですが笑
そんなこんなで?
キャンプ×読書
を掛け合わせて生まれたのがこのブックペグというわけです。
で、このアイテムを自分たちの活動のシンボルにしつつ、更にその活動の広がりが直接的な支援に結びつけばもっといいよね!ということで、
このブックペグの売り上げの一部を、日本財団様が取り組まれている「子ども第三の居場所基金」に寄付させて頂くことにしました。
→今年度から、「日本財団子どもサポート基金」への寄付に切り替えて寄付を行ってまいります。
https://www.nippon-foundation.or.jp/donation/kids-support-fund
※寄付の実行報告などもこのブログ、SNS、公式LINEなどで随時発信していきます。ブックペグをお手に取って頂いた方には是非それらのメディアもチェックしていてもらえたら嬉しいです。m(__)m
一回目寄付
・2022年10月 5万円寄付実行
※製品価格の10%を寄付として、およそ300点分を寄付いたしました
二回目寄付
・2024年7月 3万円寄付
前回からちょっと間が空いちゃいましたが、ブックペグのお預かり金を日本財団さんに寄付しました。 前回寄付した「子ども第三の居場所」も素敵な活動に使われてて嬉しいかぎり。
販売場所
で、このブックペグがどこで手に入るかと言いますと、
野良道具取扱店さまにて10月初旬から販売(お近くのショップさんでお取扱いがされるかどうか要確認)、もちろん野良道具製作所公式オンラインでもご注文可能です。
ぜひ、ぜひお手に取ってみてください。
真鍮の実物はかなり渋い(自画自賛)のと、使っていくうちにこれまた良い色に変化していきますので!
福祉と野良
以前から野良道具製作所と福祉との関りについては発信をしてきましたが、振り返りの意味も込めて、まず私個人のお話をさせて頂きます。
私がこのアウトドア事業を始める前、2015年より友人と共に、広島県大竹市にて「放課後等デイサービスHOORAY」という事業所を立ち上げたのが私の「福祉」との関りの第一歩になります。
そこから2年弱、私も講師として現場に入り子供たちに「演劇」や「朗読」などをはじめとして、主に表現活動を軸とした授業を行ってきました。
私が施設を離れてからも、HOORAYの子供たちには、野良道具製作所の直営店である「アウトドアスペース野桜」にて接客体験や商品づくりなどといった形で関わって頂いています。
私が子供たちと、そしてその保護者さんと接する中で非常に強く感じたのが
「居場所」のたいせつさ
です。
障がいのあるなしに関わらず、人には絶対に「居場所」が必要です。これに異論のある方はいないと思います。
しかしコロナの影響もあって、近年この「居場所」を失ってしまっている子どもが急激に増えているという実感があり、
特に昨今、障がい者を取り巻く環境や法律等が急激に変化する中、区分けや枠組みの中に納まらない子ども、いわゆるグレーゾーンといわれる子どももまた学校や地域の中で居場所を失ってしまっている現状があります。
私が放課後等デイサービスの運営に関わりながらずっと考えてきたのは、まずはとにかくこの放課後等デイサービスという場所を、出来るだけ多くの子供たちにとっての「居場所」にしてあげたいなということです。
支援や療育といった観点も非常に重要なのですが、まずは子どもたちに安心して「居て」もらえる場所を作ることが大前提だと私は思います。安心できないような場所で楽しく過ごすことは絶対に出来ないし、楽しくない場所で勉強などできないからです。それは放課後等デイサービスに限らず、どんな教育でも同じはずです。
これには色んな意見があるとは思いますが、極論、その子に居場所さえあれば、たとえ障がいがあったって「楽しい子ども時代」を送らせてあげられるじゃないですか。
でも、現状だと「学校」にも「家庭」にも、「地域」にも「社会」にも居場所が無いって子がたくさんいる。本当にたくさん。
そして、放課後等デイサービスはレスパイトケアも役割の一つですが、子供たちと同様に保護者さんもまた、居場所を失っているように思います。
学校の中でも同じ保護者同士で味方を見つけられず、先生も障がいについての知識が乏しく、また地域の中でも満足なサポートが受けられずどうしようもない中で子供につらく当たってしまったり、悩みに悩んで放課後等デイサービスに相談に来る方はこれまででもおそらく何百人といらっしゃいました。
取り組み
まずはそういった現状を変えたい。
でも我々には法律や公的な支援といった大きな枠組みを変えていく力はまだない。
じゃあ自分たちにできること、その中でも一番大事な事ってなんだろう?というのを考えた時に、やっぱりそれは(繰り返しになりますけど)
居場所づくり
なんです。 具体的には
- 安心できる場所
- 遊べる場所
- 学べる場所
この3つの場所を、学校や地域とも連携しながら確保していきます。
そしてこれも忘れてはならないのが、
4.はたらける場所
やはり放課後等デイサービスを卒業する、もしくは卒業が迫る中で「就職」に関する不安をお持ちの保護者さんは非常に多いです。
というわけで現在、アウトドア事業を軸とした就労支援施設を立ち上げるべく奮闘中であります。
https://norastove.com/syuro-ootake/
※絶賛求人募集中です…!!
もともと、単純に自然を「消費」するだけの「アウトドア」に疑問を持ち、
「野良=野を良くする」
というコンセプトで始めた野良道具製作所。
そして自然を守っていくには「地域」と共に歩むことが必須であり、その地域の土台を支えるのが「福祉」であるということ。
アウトドア×地域×福祉
このメインテーマはそんな活動の中で生まれました。
そしてここまで読んでくださった方はお気づきかと思いますが、日本財団様の「子ども第三の居場所基金」という活動、これがもう本当に我々が今までやってきたこと、これからやりたいことやそのテーマ、理念とめちゃくちゃ通じるものがあるなと感じておりまして。
私と同様に、今までアウトドアに慣れ親しんできた方がこのブックペグを通じて「福祉」に興味を持ち、支援の手を伸ばすきっかけになればこれ以上の喜びはありません。
日本各地の福祉が充実し、地域が元気になれば、アウトドアも今よりもっと楽しい遊びになると私は確信しています。